VR
昨年11月にRise of Flightの後継作のFlying Circusの製作が発表され、VRにも対応するとのことでHTC VIVEを導入してVR環境への対応とテストをしていたのですが、今月頭にVIVE Proへのアップグレードも行いました。
VIVE HMD
Fallout 4 VRのキャンペーン中に購入したので特典のカバーがついてます。
オプションのデラックスオーディオストラップも装着しています。
デラックスオーディオストラップはクッション付のしっかりした樹脂バンドになっており装着感を大きく向上させます。
また後ろのダイアルで簡単に調整が出来るため、着脱も楽になります。
VIVEを導入するならセットで購入するのを強くお奨めします。
VIVE Pro HMD
正面のカメラが2つになっています。
デラックスオーディオストラップに相当するパーツも標準で備わっています。
デラックスオーディオストラップに比べると頭の下側で支えるようになっています。
パッドも厚く大きくなって重さを広く分散してしっかり支えるようになっています。
並べてみると分かるのですがVIVE ProはVIVEより若干小さくなっています。
重さも少し軽くなっています。
並べてみると形状の違いが良く分かると思います。
VIVE Proでは下から支えることで重量配分の最適化がされており、カタログの数値以上に軽くなっているように感じます。
VIVEの時は前に重さが掛かっていたためか、上を見たり振り返ったりするのに体ごと動かさなければならずその動作が億劫でしたが、VIVE Proでは体をあまり動かさずに首の動作で周りを見回す事ができるようになりました。
こちらもFallout 4 VRのカバーが付いてます。
フライトシムでは使用しないためモニタの後ろに置きっぱなしです。
Fallout 4 VRやSKYRIM VRで軽くテストしてみましたが、HMDともども極めて精確にトラッキングされそれが途切れることは全くありません。
PlayStation VRも所有しているのですが、私の環境ではジョイスティックやそれを設置する台座代わりのラックなどがあるため、その陰にPlayStation Moveが入ってしまうとトラッキングが切れてしまいますが、VIVEやVIVE Proでは問題なしです。
さて実際にIL-2 Sturmovik: Battle of Stalingradで使用しての比較ですが、VIVE Proでは解像度の向上に伴い映像の網目感がかなり減少しています。
フライトシムだと明るい空を背景にした状態が多いため網目感が気になりやすいので、これが改善された恩恵は大きいかと思います。
また遠距離の目標を視認しての識別もいくらかやりやすくなっています。
VIVE ProはVIVEよりレンズが近くなっているのか視野角は同じ110度なのですがやや広くなったように感じられ、双眼鏡を覗き込んでいるような感覚が少し薄まっています。
そしてなにより装着感の向上で楽に周りを見回す事ができるようになったのは圧倒的な違いです。
画質の向上だけならば大きな費用を掛けてVIVE Proにアップグレードする意義はそれほど無いかもしれませんが、頻繁に素早く大きく頭を動かさなければならないコンバットフライトシムで使用するならばVIVE Proの頭の動かしやすさに投資する価値は十二分にあると思います。
コンバットフライトシム用にVR機器を導入しようという方にはVIVE Proを強く強くお奨めします。
VIVE Proの導入にあたっては必須環境が引き上げられているためいくつかの注意点があります。
まず一つがOSがWindows7以降からWindows8.1以降になっています。
私のゲーム用PCはWindows7でしたがドライブごとバックアップを取ってWindows10をクリーンインストールしました。
もう一つがUSBがUSB2.0からUSB3.0になっています。
USB3.0で帯域を大きく使う機器は相性問題が発生しやすく、VIVE Proもトラブルが起き易く接続するUSBポートのコントローラチップをかなり選ぶようです。
私のゲーム用PCのマザーボードはASUSのP9X79 PROというUSB3.0が普及し始めた頃のマザーボードで、チップセットではUSB3.0には対応しておらずASMediaのチップを搭載してUSB3.0対応となっており、VIVEをUSB2.0ポートに接続して使用する分には問題ありませんでしたが、VIVE Proでは動作が不安定で実用に難有りでした。
USB3.0ポートにVIVE Proを接続するとデバイスは全て認識されトラッキングは正常に動作するのですが、USBオーディオデバイスには音が出力されずマイクも音を拾いませんでした。
カメラも有効にすると動作開始して10数秒でOSごとフリーズしたり再起動が掛かったりします。
またSteamVRの起動時や終了時にもOSのフリーズや再起動が掛かることもしばしばありました。
OSのフリーズや再起動が掛かった場合ビデオカードからの映像出力が液晶モニタで認識できないものになるといった現象も高確率で起きました。
カメラを使用しない場合はUSB2.0でも使用可能で、こちらはUSBオーディオデバイスもマイクも正常に動作しましたが、OSごとフリーズしたり再起動が掛かる現象は同じく発生しました。
安定動作しない場合公式ではIntelのチップを搭載したUSB3.0のPCI-Eカードの増設を推奨しているのですが、国内で出回っているUSB3.0のカードはASMediaやルネサスのチップを搭載したもので、何れもUSB3.0初期に登場したチップで相性問題が多いことで有名です。
色々と情報収集をしていて海外のフォーラムでASMediaのASM1142を搭載したUSB3.1カードでの安定動作の報告があったので、同じチップを搭載した玄人志向のUSB3.1A-P2-PCIE2を導入したところ安定して動作するようになりました。
こちらではカメラも問題なく使用できます。
ただUSBオーディオデバイスの音声出力の設定を24bit96kHzにすると音声がノイズまみれになります(マザーボードのUSB2.0ポートに接続した場合はこの現象はありませんでした)ので相性問題が全くないという訳ではありません。
VIVE Proの動作が安定しない方はASMediaのASM1142を搭載したUSB3.1カードの増設を選択肢に入れてみたらいいかもしれません。
それからVIVE Proを安定動作させようと色々弄っているときに気がついたのですが、VIVEもVIVE Proも音声出力をUSBオーディオデバイスとビデオカードのHDMIもしくはDisplayPortのHDオーディオ出力のどちらかから選択可能になっており、VIVEでは遅延や負荷の事を考えてHDオーディオ出力を使うべきとの声もありましたが、VIVE ProではHDオーディオ出力では16bit48kHz固定でUSBオーディオデバイスでは24bit96kHzまで対応していて、VIVE Proはハイレゾ対応を謳っている事からUSBオーディオデバイスが推奨になっているのかもしれません。
あとこれは余談ですが映像デバイスとしての画質の面ではPlayStation VRが解像度が一番低いにも関わらず網目感が最も少なく一番良く感じます。
この辺は映像機器メーカーでもあり自前でレンズや映像パネルの開発・製造が可能なソニーの面目躍如といったところでしょうか。
もっとも映像視聴用途ならば同じソニーのHMZシリーズの方が更に適していたりしますが。
VR関係が一段落したらHMZシリーズの後継機も開発してもらいたいものです。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)